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青年「強制労働命令?」

はいさい!明日行けばしばらくゆっくりできるツバサさー。
ゆっくり(´・ω・`)

「強制労働命令、ですか」
青年は向かいのソファーに座るスーツ姿の男に目を向けた。
屈託のない笑みを浮かべているが、
しかしこの男の口からは”強制労働”などという物騒な言葉が飛び出している。
「国の取決めですからね。
5年以上の期間を過ぎても労働しようとしない者は強制労働の対象となる」
「あなたもご存知でしょう?」
ええ、と僕はばつが悪くなり思わず目を逸らす。
所謂、僕は"引き籠り"なのだ。
だからこそ、情けないがこの手の話にはどうしても耳が痛くなる。

50年以上前に決議決定された"労働の義務に関する法律"は、
この日本では当たり前の法律であると認識されている。
決議が裁決された時は流石に反対もあったと聞いたことがあるが、
労働人口の減少、そして何よりも国家の利益に大きく貢献している為なのか、
今では反対の声も聞かれない。

「強制労働とは言っても奴隷のように働かせるわけではありません」
男は笑顔を浮かべつつ説明を始めた。
強制労働とはいっても死ぬまで働かせるのではなく、
あくまで海外輸出用の穀物の生産や、
これまた輸出用部品の組み立てに駆り出されるぐらいだとスーツの男は言う。
適性があれば肉体労働もあると付け加えた。
強制労働者が生み出した物は海外での評判も良いと言った。
日本が輸出国として歩んで行けるのも彼らの存在があってこそ、という事なのだろう。
強制労働ではあるが、個人の適性に合わせた場所に配置される。
そして担当の監査官がその場所に就職を認め、また強制労働者本人も希望すれば、
就職先として就職することが可能であり、就職の時点で強制労働からは解放されるという事だった。
これが支持されている理由の一つだとも言った。
「言わば実習のようなものとお考え下さい。
引き籠りやニートである方が労働の喜びを知って社会に進出できる機会なのです」

自分にあった場所が選ばれるという意味ではいいのかもしれないと思った。
実際に就職をし社会復帰して強制労働から解放された者達がいうには、
"天職を見つけた"と皆口を揃えて笑顔で語っている。
僕の知り合いにも同じ事を言う人が多い。
「適性のある仕事……」
「あなたの能力にあった素晴らしい職場しか選びませんので、
どうぞ存分に働いて頂けます」
終始笑顔を崩しそうにないこの男の話を聞いた僕は少しずつではあるものの、
興味を抱き始めていた。
もっとも興味がないとしても強制労働をさせられることはもう避けられないのだが……。
「おっと。説明に時間を掛け過ぎてしまいましたね。
衣服や住居などはこちらが用意いたしますので、
適性検査をした後に、あなたにはすぐに素晴らしい労働をして頂けます」
そう言い終わると男は車を待たせていると言い、
笑顔で"それでは参りましょう"と言った。

実際にこういう法律が出来るか分からないけど、
強制労働させて社会進出を促す日本はこうかな、なんと思って書いてみた。
寮暮らしみたいな感じで集団生活をさせて働かせて、
コミュニケーション能力の向上、そして社会の構成員としての自覚を持たせる。
ある程度の人権は考慮して強制労働させるというのは、
大きい国益が出ると認められたりするのかなー?
ともかく、人権とか諸外国の反発、国内の法整備、
やるとしても問題は積みだろうね。

国益の為ならある程度は個人を犠牲にしても良いのかという問いでもあるのかも?
読んで頂きありがとうございました!

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テーマ:短編小説 / ジャンル:小説・文学
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