今日で『LOST』を全話観終わったんだけど、
途中から失速したなんて言われていたけど、全然そんな事なかった。
「オーシャニック815便が墜落したのは謎の島だった……」
そんな感じで一話が始まるんだけど、もうここからワクワク出来るよね。
旅客機の生存者達の生活、それから元から島にいた他の者達、
ダーマ社とはいったい何なのか、モンスターの正体は。
色々な謎を織り交ぜながら展開していくんだけど、
一つ解決したと思ったら、また新たなる謎が出て来て、
本当に息つかせぬ感じで物語がどんどんと進んでいくから、
次の話、また次の話と次々に観られた。
一度、島から脱出した一部の生存者達がまた島に戻ったり、
過去に行って水爆を起爆させて過去を改変しようとした辺りは、
今までの「サバイバル」や「他の者達との戦い」とはまた違った展開で、
これも結構楽しめたかな。
登場人物たちの違う一面や、役割を見れたのも面白かった。
今までは医師のジャックがリーダーとして生存者達を率いていたけど、
この辺りはソーヤーが偽名を使って、ダーマの職員達のリーダーをやっていたし、
ジャックが主人公なら、ソーヤーは影の主人公という感じだったから、
この辺で逆転というか、別の組織のリーダーになっていてまた魅力を感じたというかね。
この『LOST』も全てはジェイコブと黒服の男の兄弟喧嘩から始まったと言ってもいいんだけど、
それにしては、色々なものを巻き込んで終わった感じもする。
シーズン1から全ての事が繋がっていたと、シーズン6で分かるんだけど、
一気に謎が解けていく感じは観ていてビックリ。
そういえば、後継者選びの時にジェイコブが、
「この島には心を満たされていない者達を呼んだ」みたいな事を言っていたけど、
『LOST』というタイトルとかかっているんだろうね。
生存者達は医師や犯罪者、元軍人、詐欺師、億万長者と色々な人達がいたけど、
全員が満たされた生活を送っていた訳ではないし、
それぞれが何か満たされていない、何かをなくした(LOSTした)人達が集まっているんだよね。
島に来て更に失ったものも確かに多かったんだけど、
島に来たからこそ得られてものもあったりして、
『LOST』というドラマ自体が何かを得ていくドラマだったのかもしれない。
テーマ自体は「愛」や「友情」、「絆」なんていうのも感じたけど、
それらを含めて「得ていく」ドラマだったんじゃないかな。
シーズン6から別の世界での話も並列して展開したけど、
最終回間際で分かったけど、あれは死後の世界だったんだね。
てっきり、水爆を起爆して世界線でも変わったのかと思ったけど全然違った。
死後の世界で徐々に過去の記憶を取り戻していく登場人物達だけど、
デズモンドはこれも知っていて行動していたのかと思うと、
やっぱり、物語の重要なカギだったんだなって思った。
死後の世界で途中で死んでしまった愛する人、
友達、家族、色々な人達と普通に生活したり、或いは全然接点がなかったのに、
生前のように関わりを段々と持っていったりして、あれは感動した。
そして、最終回の教会でみんなが抱き合うシーン。
あれ凄く良かった。
だって、殆どの人が生前では叶わなかった事なのに、
それがまた記憶を取り戻して抱き合うんだもん。
確かにあの世界は死後の世界で天国なりに行く前の一時的な空間なのかもしれないけど、
それでもまたみんなが出会えたというのは大きな意味があったと思う。
あの島を通してできた絆、得たものの結果だもんね。
大勢の人の犠牲があったけど、登場人物達はそれぞれ何かを「得られた」、
それがあの最終回の最後のシーンなんだろうね。
死後の世界でマイケル達がいなかったり、ベンが一緒に教会に入らなかったりしたけど、
あれはまだそこに行けていなかったり、やるべき事があるからなんだろうな。
マイケル達はまだ島に魂が縛られているようだし、
ベンはアレックス達にまだしたい事があるみたいだし。
物語終盤で主人公のジャックも死んでしまったし、
最終回で飛行機に乗って脱出したソーヤー達の事は気になるしで、
色々と気になる事も多い最終回だったけど、
それでも全6シーズンを通して、観て良かったドラマだと思った。
細かいところは気になるけど、それでいいんだよ。
あの最終回で、生前は無理だったけど死んだ後に分かりあったりしてもいいんだよ。
世界から島に『LOST』した彼らが見つけたのは、それぞれに必要なものだった。
生きている間には気が付けなかった事も死んでから分かったりして、
生きている時じゃなくても得られる事を知れる、それが『LOST』という作品なんじゃないかな。
長文で書いて来たけど伝えたいのはただ一つ。
『LOST』は最高のドラマだ。