今日ものんびりと 2014年02月12日
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老人「僕はもうすぐ死ぬだろうね」

はいさい!今週はもう嫌気がさしているツバサさー。
仕事したくないでござる(´;ω;`)

時刻は夜中の十二時丁度、月明かりに照らされた薄暗い部屋の中。
時計は"カチカチ"と無機質な音を部屋に響かせている。
部屋の中には、大きなベットがあり、そのベットの上には大きい影が一つに、小さい影が二つ。

ベットの上では世間一般では『おじいちゃん』と呼ばれるような年齢の老人の男性が、
ベットに背を預けながら、膝に猫を二匹乗せている。
一匹は元気の良さそうな猫で、もう一匹はとても落ち着いた雰囲気がある猫だ。
二匹とも老人が頭を撫でてやると、すぐに"ゴロゴロ"と喉を鳴らす為、
老人によく懐いているのがすぐに分かる。

老人は誰に語り掛けるわけでもなく、ぽつりぽつりと話し出した。
「僕はね、君達を飼う前から、ずっと絵を描いてきていてね」
「色々な人に昔はね、よく見せたものなんだよ」
そこで一度、言葉を区切ると元気の良さそうな猫の頭を撫でてやる。
「最初は君みたいな女の子を描いたんだ」
次は落ち着いた雰囲気のある猫の頭を撫でる。
「その次は君みたいな女の子を描いたものだよ」

そこまで言い終わると、老人は少し悲しいような顔をした。
「僕はもうすぐ死ぬだろうね」
「なに、自分の体の事だからね、多少は分かってしまうものだよ」
猫達は黙って老人の話を聞くように、老人の顔を見つめている。
「ただ、ただ一つだけ心残りがあるとすれば・・・」
また一度区切ってから老人は続ける。
「もう僕の描いたあの子達が誰にも見られず、忘れられていってしまう事なんだよ」

時計が"カチカチ"と音を響かせるこの部屋は病室だ。
老人が入院してからは、絵を描く事が出来ないまでに病状も悪化してしまっていた。
しかし、今日は何故だか調子が良く、いつもは重い石のようなこの手も少しは動くので、
猫達を相手に話をすることにしたのだった。
「僕が誰かに見せなければ、あの子達は忘れられてしまうだろう」
「僕はね、それがとても可哀想に感じるんだ」
「だって、折角生まれてきたのに誰からも忘れられたら寂しいだろう」
猫達は黙ったまま、老人に更に近づくと頭を老人の体に擦り付けてきた。
「おやおや、慰めてくれるのかい」
"ありがとう"そういって、老人は猫達を交互に撫でてやった。

どれぐらい、撫でていただろうか。
気が付くと老人は眠ってしまっていた。
そんな眠りのまどろみの中で、老人は夢を見た。

(あの子達だ、僕が描いてきたあの女の子たちだ)
老人の目の前で現れる二人の女の子。
ふと、元気の良さそうな女の子が口を開く。
『ご主人様、誰かが忘れても私たちは描いてくれたことを忘れません』
もう一人の落ち着いた雰囲気の女の子も続けるように話し出す。
『主様、誰にももう見られないかもしれません。それでも私たちがいた事だけは消えませんから』
そう言うと二人は微笑みを老人に向けてきた。

そこで、老人は目が覚めた。
時計に目を見やると、時刻は夜中の二時を回っていた。
(今の夢は・・・)
ふと視線を下に見やると、猫達も一緒に眠ってしまっていた。
その姿を見た老人はまた静かまぶたを閉じたのだった。

「おじいちゃーん!」
元気の良い声が病室に響いた。
「おお、元気だね。今日はお見舞いに来てくれたのかな」
老人は小さい女の子を見るとにっこりと微笑んだ。
"うん!"と元気良く返事をした女の子は、突然何かを思い出したように、
肩から下げているピンクのポーチから紙を一枚取り出して、老人の前に広げて見せた。

「っ」
老人は驚愕したが、すぐに先程の微笑みを浮かべた。
「私ね、おじいちゃんがいつも描いていた女の子達を描いてきたの!」
老人はそのとても上手とは言えない絵を見ながらも、
そこに描かれている女の子二人を見やりながら言った。
「ありがとう、またこの子たちの絵が見られるとは思わなかったよ」
そうして"ありがとう"ともう一度礼を言うと、老人は小さな女の子の頭を撫でた。
老人の周りには、あの元気の良さそうな猫と、落ち着いた雰囲気の猫も側に寄り添っていた。
うがー!予想以上に時間がかかってしまったぞー!
読んで頂きありがとうございました!

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テーマ:短編小説 / ジャンル:小説・文学
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