今日ものんびりと 男「愛している、愛しているんだ」
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男「愛している、愛しているんだ」

はいさい!純愛ものを書くツバサさー。
書いちゃう(´・ω・`)
~閲覧される方へ~
本作品は愛ゆえの暴力描写が含まています。
流血の描写やグロテスクな描写が苦手な方は閲覧される際にはご注意くださいませ。


了承の上、閲覧して頂ける方は”追記”からどうぞ。
スミス&ウェッソン S&W ナイフ ブルズアイ アルミ CK5TBS


ぽたぽたと水音が聞こえる。
蛇口を完全に締め切らずに水が滴っているあの音に似ている。
「やぁ。起きたかい?……顔色が悪いね、心配だ」
まるで愛おしい者を心の底から心配しているような表情をして男が言った。
「……あ、あなたは?」
かすれた声でそう答えたのは女は胡乱げな目で男を見上げた。
彼女は目の前に立っている男の事を知らない。
いや正確には知っているが気付いていないのだ。
それにしてもどういうことなのだろうか。
何故、私は手を縛られているのだろうか。

「ああ……。サラ、まだしっかりと起きてないみたいだね。
僕の事が分からないのかい?君の夫だよ」
「……私は結婚なんてしてないわ。
あなたは誰なの?それからここはどこ?私は家にいてそれから……」
続きを言いかけてサラは愕然として口をつぐんだ。
私は仕事から帰って家に入った。
そこからソファーに座ってテレビを見ていたら急に後ろから口に布を当てられて……。
最後に薬品の匂いがしたのは覚えている。
そこからの記憶は……、ない。
誘拐されたのだ気付くのにさほどの時間は掛からなかった。

怒気を込めて男を睨み付ける。
「あなたは自分が何をしているのか分かっているの……!
誘拐は犯罪なのよ。……お金が目的なの?
お生憎様、私はお金なんてそれ程持ってないわ」
「……サラ。僕達は夫婦だ。今の君は疲れて訳の分からない事を言っている。
大丈夫だよ、サラ。君を狙っていた組織から僕は救い出したんだ。
ここなら見付からない、安心していいんだ」
この男は何を言っているのだとサラは思った。
私は結婚なんてしてないし、誰かから狙われてもいない。
「……あんた、頭がおかしいんじゃないの!さっきから何を言っているの!
私は結婚なんてしていない!それよりもここから出して!」
男は少し悲しそうな顔をして、”仕方ないな”と言って上着のポケットから、
布と小瓶を取り出した。
小瓶の中身を布にかけるとサラの口元に押し付けた。
最初は抵抗したが、すぐに意識は遠のいた。

大きな物音で私は目を覚ました。
遠くでカンカンと物音が聞こえる、何の音なのだろう。
意識ははっきりとしないが私は瞼を開いた。
「おはよう、サラ」
”ああ、神様”私は思わず男の顔を見た瞬間に呟いた。
物音の正体は男が檻の様なものをハンマーで鉄の棒を打ち付けている音だった。
何故、そんな物を組み立てているのか。
私が入れられる?そんな最悪の予感がよぎるが頭を振って考えを打ち消す。
だが、私の予感は的中した。
それももっと最悪な形でだ。

……最早、あの日から何日経っているか分からない。
誘拐されて、鉄の檻に入れられ私は監禁されている。
男は”僕達は愛し合っている”とか、
”記憶がないのは政府の奴等が消したから”だと言った、それも毎日だ。
そして必ず”愛しているよ、サラ”と言って眠りにつく。
この男はおかしい、異常者だ。
そしてそんな日々にも我慢の限界が来た。
24時間必ず側に居続け、私が排泄する時も離れないのだ。
これで我慢が出来る人間がいたら頭のネジが外れているだろう。

「もういい加減にして!私はあんたなんて知らないし恋人だっているの!
あんたは自分が異常者だって気が付かないの!?
誘拐してこんなところに監禁して普通じゃないの!あんたは頭がおかしい!」
男は意外にも笑みを浮かべて聞いていた。
「サラ、ああ……。僕は君の事をずっと見ていたんだ。
君は恋人がいると言ったね?それは組織の奴等が記憶を改変したんだ。
だから愛しているのは僕だけなんだよ。
それにずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
ずっとずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
ずーっと見ていたのは僕だけなんだから」
”ずっと見ていた”?もしかしてあいつなの……?
私はストーカーの被害にあっていたが、
誘拐される一週間程前から、突然ストーカーは消えたのだ。
もしかしてこの準備の為に私の前に現れなかったというのか。
「ストーカーをしていたのはあんただったのね。気持ち悪い。
彼が私の家に来てくれるようになったから、
もう近付いて来なくなったのかと思っていたらこの準備をしていたのね」
「……あいつを家にあげたのか?」
「当たり前でしょ。恋人なんだから家にあげたりするわ。
キスだって……」
そこまで言いかけようとした瞬間男は激昂してテーブルに手を叩きつけた。
”しまった”と私は思った。

「本当はこんな事をしたくなかったんだよ。サラ。
でも、君が嘘の記憶に縛られているから僕は解放してあげなくちゃいけないんだ」
男の右手にはナイフの柄が握られている。
私は檻の中で縛られていて動く事は出来ない。
「……何をする気なの?お願いやめて」
「やめる?何をだい?大丈夫だから僕に任せて。
そういえば、心理学で記憶の奥深くに印象付ける方法があると聞いたことがあるんだ。
例えば言葉だ。何かが起こった時に聞いた言葉。
そう例えばその時に愛していると言われれば、
愛していると聞くとその時の事を思い出せるというんだよ」

男は握っていたナイフをさらに顔に振り下ろして切りつけた。
「愛しているよ!サラ!本当に大好きだ!大好きだ!愛している!」
そんな事を叫びながら男は切りつけ続けた。
ナイフに付いた血が辺りに飛び散り、サラの顔からは血が止めどなく流れ続ける。
サラの悲鳴が部屋に響き渡る。
だが、男の手が緩むことがない。
さらに切り付ける。
「サラ!愛している!こんにちは!ありがとう!こんばんは!食事!枕!
リモコン!洗濯機!ジュース!ケーブル!本!」
それからも狂ったようにサラの顔を切りつけ続けて、
同時に男は色々な単語を言いづけた。
「トイレ!戦争!お菓子!鉛筆!チーズ!カメラ!鞄!スカート!
フォーク!23!歯ブラシ!毛布!」
男は思いく限りの単語を叫び続けているようだ。
更に続けて叫び続ける。
名称や数字、販売メーカーや映画のタイトル、俳優の名前。
それらに関連性や意味などはない。
ただ、切りつけている時に男が言った言葉を聞く度に、
サラにこの愛の行為を思い出される為に言っているに過ぎない。
男は延々とサラの顔をナイフで切り刻み、
為すがままに顔を切り刻まれたサラは悲鳴をあげる。
それが延々と続くかと思われだが、それはふいに破られた。
「警察だ!頭を手の後ろに組んで膝を付け!」
数人の警察官が部屋の中に入ってきたのだ。
私はそれを見た後に急に意識が遠のいた。
救われたのだ。

……あの忌まわしい日々から三年の月日が流れていた。
私はあの後警察官たちに保護された、そしてすぐに入院する事となった。
傷は意外な事に浅いものばかりだったが、
顔を数百回と切り刻まれたのだから完治は無理であった。
入院して暫くすると私は心療内科がある病棟に移されて、
精神の回復を行うべく様々な治療が行われた。
あの男が言った通り、私は切りつけられている時に聞いた言葉を聞くと、
どうしてもあの日の事を思い出してしまう。
呼吸が荒くなる、そしてあの時に恐怖が蘇ってくるのだ。
最初に数ヶ月はまともに会話もできなかった。
あの時言われた言葉を聞くと私は錯乱状態に陥る。
そのせいで病院内で暴れまわった事も一度や二度ではない。
あの男が残した爪痕は存外に深いものだった。
日常生活すらままならないと診断されたのは言うまでもない。

だが、支障はまだあるものの、ついに私は今日をもって退院する。
通院は勿論続くがまずは家に帰れるのが嬉しい。
退院後は実家の両親のもとで療養を行いつつ、通院をする予定になっていた。
……あの男は今も捕まっていない。
警察が部屋に突入してきた際にあの男は逃走した。
三年の月日が経った今でも警察は逮捕できずにいた。
一瞬、脳裏に不安がよぎるが私はそんな考えを打ち消した。
手を上げてタクシーを呼ぶ。
乗る直前に包帯で顔を隠している私を見て、運転者は一瞬不審がったようだが、
すぐに笑顔になり、”どちらまで?”と私に聞いた。

タクシーを降りた私は実家に向かった。
懐かしい我が家。
小さい頃は家の庭に植えてある木の枝にブランコを付けてもらいよく遊んだ。
そんな懐かしい記憶に思わず頬が緩んだ。
鍵を取り出して、鍵穴に差し込み開ける。
「パパ!ママ!ただいま!」
「おかえり。サラ。」
そこには血を流して倒れているママと、
右手に斧を持ち、左手に何か持っているあの男がいた。
男が持っている物をよく見てみるとそれはパパの頭だった。
パパの頭からはまだ血が垂れ続けている。
「サラ……。ずっと僕は待っていたんだ。
またこれから昔のように愛し合おう」
私は頭の中が真っ白になった。

Happy Ending

疲れたー、長くかかっちゃったなー。
最後まで読んでくれた人がどれだけいるか分からないけど、
最後まで読んでくれてありがとう(´ω`)
純愛ものは書くのが大変だねー。
終わったら解説にのん美ちゃんやくろ乃ちゃんを交えて話そうかと思ったけど、
長くなってしまったから明日やろうかなー。

暫く小説はいいかな。
読んで頂きありがとうございました!

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テーマ:短編小説 / ジャンル:小説・文学
関連タグ:自作小説 純愛

お疲れ様でした。

小説3本もすごいです。お疲れ様でした。
猟奇物ですね。お化けより一番恐いのは、人間ですね。
今日のお話しも面白かったです。
でも、サラ様かわいそう(;_;)
MMは、2番目の、猫のお話しが好きですー。
また、お話し読ませて下さいね。
ありがとございました。
[ 2014/09/21 05:18 ] [ 編集 ]

No title

イギリス人が書きそうな純愛小説だなあ。面白かったです(^^)
[ 2014/09/21 18:21 ] [ 編集 ]

No title

ええ読みましたよw
面白かったですw

確かに純愛ですね
愛って、何かで読んだんですが、ある種病的な側面があるっていう(汗)

それを思い出しました
[ 2014/09/21 21:13 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

TYPE MM04さん
暫くは小説も書かなくていいですねー(´∀`;)
今年1年分ぐらい書いた気がします(笑)
人が一番恐いと思いますね~。
ホラー作品でも残酷に殺している描写がありますが、
それを考えているのも人間なのでやっぱり人間は怖いと思うのであります(笑)
面白かったですかー、それはよかったです( *´艸`)
サラは犠牲となったのです、愛の犠牲に、うふふ(*´▽`*)
猫のお話を気に入っていただけたのですね!ありがとうございます~。
また何か思いついたら書きますね~(*´ω`*)
[ 2014/09/22 00:10 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

ポール・ブリッツさん
僕にもイギリス人の感性に似たものが、
目覚め始めたのかもしれませんね……!(笑)
ありがとうございます~(*´ω`*)
[ 2014/09/22 00:14 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

blackoutさん
読んで頂いてありがとうございます~ヾ(*´ω`*)ノシ
今回は初めて純愛に挑戦してみましたが、
意外と書けるかもしれません←

うふふー、純愛なのです(*ノωノ)
純粋なまでの(一方的すぎる)愛の物語ですからね!
病的な側面……、愛ゆえに壊したくなる衝動とかですかねー?
うむうむ、愛とは深いものですね(-ω-)
[ 2014/09/22 00:26 ] [ 編集 ]

No title

ええ、それに近いですねw

究極の形は、相手を動けない状態にして、愛で続けるっていうものかと思います

ネクロフィリーなんかは、そのいい例だと思いますです

まぁ、そこまで行かないまでも、睡眠薬なんかで眠らせて…、抵抗しない相手を…、とかもこれに該当するかと
[ 2014/09/22 22:00 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

blackoutさん
相手を動けない状態にして愛し続ける、ですか。
やられる方からしたら堪ったものではないですが、
愛とは時に強引さも必要ですしね!←
一方的な、それこそ思い遣りで愛を持ってやっていると自分で思っていても、
相手からしたら余計なお世話とかありますし、
一歩的な愛というのが多いのかもしれません(/・ω・)/
[ 2014/09/23 00:46 ] [ 編集 ]

こんにちは^^

参考の為、自作小説読ませて頂きました^^
いやぁ、表現力がありますねぇ!
自分は表現力が貧弱なので、書きたい事があってもどうしても貧弱な表現になってしまいます><
言わば、小説を書いたつもりが、ドラマの台本の様になってしまいます><
ツバサさんは表現力がしっかりしているので、作品もしっかりと小説の体をを成していますね^^
それにしてもこの犯人、恐ろしいですねぇ・・・
思えば女性って、常に襲われる危険性と、隣り合わせで生きてるんだよなぁ・・・
ある意味サバイバル人生><
向学の為、また読みに来ます^^
[ 2015/09/22 17:18 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

川崎瑞鶴さん
ああ、読んで頂いたのですね~。
中々長い文章ですが、ありがとうございます♪
表現力がありますか?そう言って貰えると嬉しいです(´∀`)
僕もそんなに文章を書くのが得意ではありませんが、
まずは自分の書きたいところから好きに書いて表現するといいかもしれませんね~。
表現も他の作品を参考にしていれば、いいものが出来ると思いますよ(・∀・)

この犯人の恐ろしいところは自分は正しいとか、
愛し合っていると信じて疑わないところですね(><)
この手の犯人に目を付けられたらもう恐ろしい結末が待っているので、
なんとか避けて生きて行かないといけませんね。
[ 2015/09/23 20:46 ] [ 編集 ]

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