今日ものんびりと 四神獣奇譚・第三話「思い出」














ヘッドライン

四神獣奇譚・第三話「思い出」

はいさい!猫耳っていいよねって思うツバサさー。
猫科の動物は基本的に好きですよ~。

過去の話が見たい場合はまとめページからどうぞ!
四神獣奇譚 作品一覧

では、四神獣奇譚・第三話「思い出」始まります。


二〇一二年 五月二日 春美市 公立春美高校 18時15分

白虎、それは隆義と結依が幼年の頃、短い期間であったが一緒に遊んだ少女が名乗っていた名前であった。
当時の橘家は両親の仕事の都合で日本各地を転々としており、
白虎と出会ったのは、丁度橘一家がこの春美市に一時期いた時であった。

三人が出会った時は季節は秋で、隆義が小学三年生、結依が小学二年生であった。
出会う切っ掛けとなったのは、秋という事で橘一家で紅葉を家族で見るという約束をしていたのだが、
両親に急な仕事が入ってしまい、行けなくなってしまったのが切っ掛けになることになる。
隆義は子供ながらに両親が多忙であるという事を認識しており仕方がないことだと諦めたのだが、
結依の方は酷く落胆した。
結依も隆義と同じく、両親が多忙だと分かってはいたので駄々を捏ねたりはしなかったものの、
久し振りに家族と出掛けられると楽しみにしていただけに、酷く落胆してしまったのだ。
それを見かねた隆義は両親に頼み込んで、
結依を連れて自宅の近くにある"千神山"という山に連れ出したのだ。

二〇〇五年 九月二十六日 春美市 千神山 12時20分

「結依、大丈夫か?」
隆義は結依に手を差し伸ばした。
「ありがとうございます、お兄ちゃん」
結依は隆義の手を取ると少し高くなっている段を上った。
二人がいるところは千神山の頂上付近である。
隆義の提案で、"どうせ行くのなら一番高いところに行って父さんや母さんに自慢しよう"と言ったのが切っ掛けであった。
結依もそれを了承して、兄妹二人でこの場所まで来たのだった。

「そろそろお昼にしようか?」
そう言って隆義が結依に問いかけた、そうすると聞かれた結依は"そうですね"と返事を返した。
隆義はどこか休めそうなところがないかと辺りを見回してみると、
丁度近くには社があり、簡単なものだが椅子が置いてあったので二人はそこで昼食を取ることにした。
「お弁当、美味しいですね」
結依は満足そうににっこりと笑ってそう言った。
実はこの弁当は今日は約束を破ってしまったので、
そのお詫びにと母が朝早く起きて作ってくれたものであった。
隆義も結依も弁当はどこかで買って済まそうと思っていただけに、この手作り弁当は二人を喜ばせたのだった。

昼食を済ませた二人は千神山の紅葉を見て回った。
そして二人が休憩しようと社に戻った時に、目の前に着物を着た白髪の女の子が社の近くの椅子に座っていた。
その女の子は隆義と結依を見つけると、
"もしよかったら、一緒に遊びませんか?"と話しかけてきた。
紅葉を一通り見て回った隆義と結依であったから、他に見るところもないという事で、
二人はその白髪の女の子と遊ぶことを了承した。

始めの内は、年が自分や結依と近いであろう白髪の女の子が、
自分たちに対して物凄く丁寧に敬語を使ってくることに、
少しだけ驚いていた隆義だったが、家では父と結依が常に敬語であることからすぐに慣れた。
それから、三人は時が経つのも忘れたかのように遊び続けた。
鬼ごっこやかくれんぼ、結依がいつも持ち歩いている人形達を使っておままごと等をした。
流石におままごとをすることには難色を示した隆義だったが、
二人がどうしてもやりたいという事でしぶしぶ了承したのであった。
結依と白髪の女の子がおままごとで楽しく遊ぶのを見て、
今日は結依が沢山笑ってくれていることに、
隆義は紅葉を見に来てよかったと心から思ったのだった。

それからどの位の時が立っただろうか、辺りはすっかり夕暮れの赤に染まっていた。
紅葉の赤さも相まって、それはもう綺麗な真っ赤な色である。
隆義と結依はそろそろ帰らなければいけないと白髪の女の子に告げた。
白髪の女の子は少し悲しげな顔を見せたが、そのあとすぐに笑顔になって言った。
「遊んでくれてありがとうございました」
隆義と結依も女の子に礼を伝えると、白髪の女の子はにっこりと笑って返した。

それから、帰る時に隆義が白髪の女の子に問うた。
「そういえば名前聞いてなかったね」
「名前ですか?私の名前は」
そこまで言った白髪の女の子は一拍置いて続けた。

「私の名前は白虎です」

「白虎さんっていうのですか、良い名前ですね」
結依はそう言って、白虎を褒めると次に自身の名前も言った。
「私は結依です」
隆義も結依が言うのに続けるように自身の名を名乗った。
「僕は隆義だ」
二人の自己紹介が終わったのを待ってから、白虎は、
「結依様と隆義様ですね。またいつか遊んで下さいますか?」
と言って二人に問いかけた。
そうすると二人は"うん""勿論です"と答えたのだった。

最後に白虎は"聞いてくれますか"と言って、二人が頷くのを確認してから、
こう切り出した。
「私は暫く遠くに行ってしまいます」
「私が遠くから帰ってきたら、またお二人のところに帰ってきてもいいですか?」
隆義は"会う"ではなく"帰ってくる"という言葉を使ったことに違和感を覚えたが、
そんなことはすぐに忘れて、"ああ、勿論いいよ"と返した。
結依も"いいですよ"と白虎に言った。
それから、隆義達と白虎は分かれて、
隆義と結依は自宅へ帰路についたのだった。

二〇一二年 五月二日 春美市 公立春美高校 18時15分

「まさか、君があの時の白虎なのか?」
「はい、隆義様」
隆義の問いに肯定をした白虎はそのまま続けて言葉を紡いだ。
「・・・やはり、ご両親からは何もお聞きになっていないようですね」
神妙な面持ちになった白虎は少し間を置いて、新たに切り出した。
「隆義様、結依様、お二人のご自宅へお上がりしてもよろしいでしょうか?」
「お話がどうしても長くなってしまいそうなので、よろしければお願いしたいのですが・・・」
隆義と結依は顔を見合わせると、二人は了承の旨を白虎に伝えた。
「ありがとうございます!では、さっそく参りましょう!」
そう言って、早速橘家に向かおうとする白虎に向かって、優奈が待ったを掛けた。

「ちょっと待って、その猫耳と巫女装束のまま外に出るの?」
「その格好だと町でかなり目立つと思うよ。丁度夕方で人も多くなっている時間帯だし」
確かに優奈が指摘する通り、この格好で街に出てはかなり目立ってしまうだろう。
そんな優奈の心配に対して白虎は、
「そのことなら大丈夫です!私に考えがありますから!」と自信満々に言ったのだった。
すると次の瞬間、懐から札を一枚出すと、
「我神獣白虎が命ずる、彼の地に我らを送り届けよ!」
そう叫ぶと同時に、四人は光に包まれ、気が付くと橘家の目の前にいたのだった。
白虎を除く三人は突然起こったことに驚いていたのだが、
そんな三人を尻目に白虎は家に早く入るように促した。
「色々とお聞きしたい気持ちは分かりますが、まずはご自宅に入って下さい」
「そこで今起こっているとをご説明します」
そう言った白虎の表情は真剣そのものであった。


今回は三人の出会いと橘家の家庭環境に少し触れてみました。
では、次回の第四話をお楽しみに!
読んで頂きありがとうございました!
にほんブログ村 アニメブログへにほんブログ村 イラストブログへblogram投票ボタン人気ブログランキングへ
ブログランキングに参加中です、クリックして下さると嬉しいです。
関連記事
スポンサーサイト


テーマ:自作小説 / ジャンル:小説・文学
[ 2013/06/01 15:53 ] 四神獣奇譚 | TB(0) | CM(0)
関連タグ:四神獣奇譚 自作小説

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://fatelove77love.blog39.fc2.com/tb.php/790-519f1b7f